時のすぎゆくままに

俗称:障がい者夫婦。上手くやれるわけないと否定された世の中を、なんとか、かんとか生きています。

老舗の閉店と 店主の気持ち

これは

とある町の商店街を通りかかった際に見つけた「感謝の文言」です。

 

ご愛顧いただいた皆様へ

長きにわたり、ご愛顧いただき誠にありがとうございました。

夫婦で営み四十数年。

延べ六十万人のお客様の髪を切らせていただきました。

不愛想な事もありましたでしょうが、 お許しいただければ幸いです。

昨今の事情も踏まえ、また私たち夫婦も歳を重ねることとなり

このたび閉店させていただく事となりました。

ご愛顧いただきましたことに感謝を申し上げます。

 

これが

読みやすい筆文字でね。縦書きで書いてありました。

 

でも寂しかったのは、最近の暑さのせいで

四隅を止めていたセロハンテープのひとつが剥がれかかってね。

「廃れゆくこと」を再び実感しました。

 

この文言を書くときに真っ白だったであろう紙は

雨に打たれ、陽射しを受けて、少し黄味がかって、優しい波を打っててね。

 

さぞかし優しいご夫婦だったんだろうなあ・・と。

 

シャッター商店街

だけでなく、最近は大規模量販店の縮小、閉店の噂も耳にします。

人が増えていく町。人が減っていく町。

日本人の高齢化が進み、国内の人口が7000万人くらいになったら

消滅する集落や町や村もたくさんある、と。

 

みなさんがお住まいの町は、2、30年後に残っていると思いますか?