時の満ち引くままに

俗称:障がい者夫婦。上手くやれるわけないと否定された世の中を、なんとか、かんとか生きています。

〇〇年前に私の記憶が再始動した季節-⑦

2回目の体験泊で、その障がい者施設への入所が決まりました。

病院からの退院と入所。

「無理やり感満載」の日程だったような気がします。

 

まず、退院の予定日と施設の入所日は勝手に決まっていて、3日ごとぐらいに、スーツを着た男性が病院に面会に来ました。

 

障がい者施設に入ったら、自立した生活を目指すこと。

東京都が決めた通院先に、1週間に1度、必ず通う事。

ギャンブル・飲酒はしないこと。

トラブルに巻き込まれないようにすること。

などなど。

 

これ、スーツの男性が面会に来るたびに、訊かれたんです。苦笑

私は「はい。」と返事はしたんですが、どうも腑に落ちなくて。

でも、鉄格子のある病院にいるより、自由はあるのかなあ?と思って見たり。

 

そんな、ぼんやりとした希望とも何とも言えない心持ちで、退院の日を迎えました。

退院の日は、担当医や看護師さんに見送っていただきました。

 

「ここに、あなたが帰ってくることは、もう、ないんだよ。」

 

それが何を意味するのか、当時の私は判ってなかったと思います。

「自立した生活をする」私を想像できなかったので。。

 

【つづく】