戦禍の中から現在へと生き抜いてきた人々の命の数も・・なくなりつつあります。
「日本は強い国」「日本は勝てる国」
「戦争に勝つことで平和をもたらすのが日本の役目」
だと、それを信じて疑わなかった人々。
あと2時間足らずで、街のど真ん中に得体の知れないミサイルが落ちることを知らず
毎日の空襲警報やラジオからの情報に怯え
家にある金属類を徴収され
それらが戦闘の材物になることを知らず
日本が戦果をあげていることを信じ
9日後に天皇陛下が敗戦の弁を述べることを誰もが予想しなかった日
片道足らずの燃料を積んだ軍の戦闘機が敵国のミサイルに敗れ
親族の生き死にも確認できず
それでも日本は戦うことで世界に平和をもたらすのだ・・と
洗脳と噂に流された日
轟音と見たこともない光と熱さで何が起きたのかも分らずに見た焼け野原と黒い雨
逃げ惑う人々に続き 焼けただれた手や声が助けを求めるのを遮り
方向も判らず走り抜け
振り返れば緑と青が見えた先の隣から火の手と煙が昇り
そこに自らが生活していたことを悲しみ
腹が減ったことも忘れ 座り込んだ道に拳を突き当てた日
そんな思いを誰に吐き捨てればいいのか分からず
傷だらけの足で我が家を探したけれども無かった絶望
その日が78年前の狂日。8月6日なのです。