時のすぎゆくままに

俗称:障がい者夫婦。上手くやれるわけないと否定された世の中を、なんとか、かんとか生きています。

祖父の力

普段は寡黙だった祖父。

でも池釣りや川釣りが好きな人で。

ウキは必ず祖父の手作り。

 

最初は新しいものを買うんですが。

次からは木や竹を削って作ってました。

団地の階段の片隅に小ぢんまりと座って。

 

祖父のすごかったところは、必ずと言っていいほどウキが直立のいい具合で浮くこと。

そして、これでいいや。という妥協が無かったです。特にウキには。

集中力もすごかった。

木や竹を削り始めたら、夕飯まで帰ってこないんですね。

それで夕飯までに2、3本のウキの色まで塗り終えて。

 

日曜日にはその作ったウキを持って池へ。

これが不思議で、作ったウキの重心がちょうどいい。

別に電卓をはじくわけでもなく。ただ削っているように私には見えたのですが。

 

祖母が『棚が欲しい』と言ったら、近くの公園の片隅でベニヤ板を切り、ニスまで塗って午前中には完成。

あの集中力と行動力はどこから来るのか。と思ったぐらいで。

 

ひと仕事終えたら、祖父が必ず吸ってましたね。ハイライト。

 

私が紙巻を吸い始めた時に小声で『どうだ。うまいか。』とポソリ。

 

時に祖父の集中力と行動力を受け継いでいるのかなあ・・と思ったりします。